フリーコンサルタントへの独立方法とキャリアステップ論 “正社員とフリーランスの違いは?”_02
2023.02.13

本記事のサマリ

今回は、昨年開催させていただきましたイベント“フリーコンサルタントへの独立方法とキャリアステップ論”の内容について連載で公開させていただきます。第2回目は“正社員とフリーランスの違いは?”について、当日登壇いただいたYoutubeチャンネルニックとまるたろうのフリーランスTVでおなじみのまる氏と弊社代表東野の対談内容をご紹介させていただきます。


プロフィール


YouTube“ニックとまるたろうのフリーランスTV” まる氏
大学卒業後、大手SIer、日系コンサルティングファーム、監査法人系のコンサルティングファームを経て独立。
現在は某事業会社のDX推進プロジェクトにフリーのITコンサルタントとして参画しつつ、自身の経験を基にSNSでIT人材のキャリアについて発信中。2020年にYouTubeチャンネル”ニックとまるたろうのフリーランスTV”を立ち上げる。

イーストフィールズ株式会社 代表 東野智晴氏
2009年に大学院卒業後、東京海上日動火災保険株式会社に入社し、IFRS対応プロジェクトに従事。その後、2013年に株式会社ベイカレント・コンサルティングに入社し、マーケティング・セールス領域の改善を中心に支援。データサイエンティストとして社内研修の講師も務める。5年連続で目標未達だった部門を目標達成に導くなど、データ分析や調査から実行まで一気通貫で支援し、成果を出すことに強みを持つ。2018年10月にイーストフィールズ株式会社を設立。

Q:正社員とフリーランスの違いは?


まる氏:会計系のことをやらないといけないのと、時間の使い方が違いますね。
仕事内容とかだと、基本コンサルワークというところで違いはない。
収入は圧倒的に増えるし、プロジェクトとか人によると思いますが、プライベートな時間はフリーランスになって圧倒的に増えました。
会社員でいる時は、人事評価で自分を評価してもらわないといけないし、後輩や部下の評価をしないといけない。プロジェクトとは関係なく会社の定例に出て時間が掛かったり、本業以外のことに時間を取られていくのは意外に多いと思う。そういった部分が一気になくなるので、プライベートな時間は結構増えます。

東野氏:経営者の視点になるかもしれないが、正社員とフリーランスで明確に違うのは、役割は結構違うかなと思います。
社員は、組織のKPIに対してコミットしていく働き方で、手段は問わない。外部のリソースを使ってよいが、フリーランスはスキルを活かせるところで発揮していくような発想になる。向き不向きであったりとか、モチベーションは違うかと思う。先ほどまるさんが言っていたが、報酬を上げたいというのは、それがモチベーションの方だったりとかは、フリーランスに向いているといえます。
契約1個をとっても自分で値段を決められるので、報酬も自分で裁量を決められるのは、それが面白い人は面白いかなと思う。
プロジェクトも自分で決められるので、スキルが高い人は引く手あまたの状態になる。
僕はこういう案件がやりたいんだと、自分で設計して選べるのは、かなり違うかなと思う。そういう意味では、キャリアの設計もしやすいし、狙ってスキルを取りやすいと言える。
教育は、正社員のほうが教育される側としては充実した環境にはなる。フェーズにもよりますが、違いは以上ですね。

まる氏:案件が選べるところで言うと、独立したら案件を獲得できるんだろうかと心配になってくる人もいると思う。実際にフリーになったら全然困らない。 なぜかと考えた時にコンサルファームはよくパートナーカットとか、自分の上司が取ってきた仕事しかできない。フリーになると、パートナーカットどころか色々な企業の仕事ができる。フューチャーの時は青色のコンビニが太い顧客なので、フューチャーにいると青色のコンビニの仕事しか基本はないので。

東野氏:笑

まる氏:フリーになってから、違う色のコンビニの仕事ができたり、よりやりたいことができるのも、フリーランスのメリットと正社員との違いかと思います。

【質問】
メリットが多いように聞こえますが、特にフリーランスのデメリットを教えてください。

東野さん:孤独であるという事以外で3つ挙げるとすると、1つ目のキャリアパスでいうと、組織の中で地位を上げていく働き方、マネジメントするという働き方は、フリーランスだと難しいかと、あくまでプレイヤーという形になる良いか悪いかというのはあるが、マネジメント志向の方には、デメリットかなと思う。人次第ではあるので、コインの裏と表ではある。
2つ目は、教育・ハードスキル・知識は、プロジェクトが選べるというか、色々な仕事をやれるので、逆にフリーランスのほうが知識を付ける量は早い。ソフトスキルのほうである、スライド作成、分析などは当然教えてくれる前提ではないので、スキルの向上面は、上の人が見てくれてレビューしてくれて育成も込みで教えてくれるのは無くなる、というのはデメリットかと思う。
3つ目の社会保障は、今そういうところを補うようなものは出てきてはいるが、難しいなと思う。働けなくなったら、収入が0になるのも嘘じゃない。住宅ローンを組もうとした時に、正社員の信用力とフリーランスの信用力は格段に違う。フリーランスの信用はほぼ0だと言える、売上・実績を上げていけば評価はされるが、実績なしで評価するとなると、この個人は誰やねんって感じになるので、基本的に銀行の審査にはほぼ通らないのと、住宅ローンを組むなら、大企業にいる時のほうが絶対良い条件で組める。

まる氏:私も会社員時代に家を買っていたので、買っておいてよかった。フリーランス1年目の時に、家の近くで良い感じの賃貸があったので、審査だけしてみようと出したが、会社員時代よりも収入は増えているが、審査は落ちた。
案件が途切れないとは言ったものの、切られることはあるはずで、2020年2月頃に独立したが、2020年のコロナ禍3、4月頃に日本に蔓延してきた。最初は大丈夫だったが私が、案件で入っている日系コンサルファームのプロジェクトがあったが、社内でアベっている人がめちゃくちゃ増えていた。社内がアベっているのに、なんでフリーランスなんだと、案件を切られたことがあった。切られた後にどうなったかというと、契約が終わった翌月には、別の案件に参画できたので、お金には困らなかったが、若干精神的に不安なところはある。

【質問】
約1年間フリーランスをやっているが月の途中からの契約は結構あると思うが月末・月単位で3ヶ月とか半年更新とか本当にやばい時は月の途中でも切られますか。

東野氏:パフォーマンスしてなくてとか、そもそも出社してないとかは除外して、プロジェクト・予算の都合で切られる時は月末までは安心というか、一番やばかったのは先ほどもあった通り、コロナ禍において我々の案件に航空会社があり、6ヶ月の契約だったが速攻で「無理です」と「こういう状況なので」というかたちで終わった。
質問者:違約金的なものも発生しなかったのですか?
発生しなかった。こういう状況なので難しいですと、しかしリードタイムを1、2ヶ月持っていました。話は速攻で来たが、すぐに契約がなくなったかで言うと翌月か翌々月の月末まではあって意外と優しいなと思いました。期中で切られるのはよっぽどプロジェクトがどうにかなった時くらいでしょうか。

対談動画はこちら ⬇

https://youtu.be/KQkzlJz6taY

次回は“安定して仕事=案件を獲得するには?”についてをお届け予定。