フリーコンサルタントへの独立方法とキャリアステップ論 “質疑応答”_05
2023.03.20

本記事のサマリ

今回は、昨年開催させていただきましたイベント“フリーコンサルタントへの独立方法とキャリアステップ論”の内容について連載で公開させていただきます。第5回目は当日いただいた“質疑応答”の内容について、当日登壇いただいたYoutubeチャンネルニックとまるたろうのフリーランスTVでおなじみのまる氏と弊社代表東野の対談内容をご紹介させていただきます。

目次

プロフィール


YouTube“ニックとまるたろうのフリーランスTV” まる氏
大学卒業後、大手SIer、日系コンサルティングファーム、監査法人系のコンサルティングファームを経て独立。
現在は某事業会社のDX推進プロジェクトにフリーのITコンサルタントとして参画しつつ、自身の経験を基にSNSでIT人材のキャリアについて発信中。2020年にYouTubeチャンネル”ニックとまるたろうのフリーランスTV”を立ち上げる。

イーストフィールズ株式会社 代表 東野智晴氏
2009年に大学院卒業後、東京海上日動火災保険株式会社に入社し、IFRS対応プロジェクトに従事。その後、2013年に株式会社ベイカレント・コンサルティングに入社し、マーケティング・セールス領域の改善を中心に支援。データサイエンティストとして社内研修の講師も務める。5年連続で目標未達だった部門を目標達成に導くなど、データ分析や調査から実行まで一気通貫で支援し、成果を出すことに強みを持つ。2018年10月にイーストフィールズ株式会社を設立。

Q:今の自分のスキルだと、どれくらいの単価で案件に入れますか?

東野氏:ProConnectにご登録、面談させて頂くと職務経歴書・スキルをじっくり聞いた上で適正単価をお伝えするのでぜひご登録頂ければと思います!

Q:独立にあたり、ファームの人脈がフリーランスとして独立後に役立つことはありますか?中途入社して間もないので、人脈観点から2〜3年在籍すべきか、実力的に自走できそうな感覚を身に着けたら、即独立を視野にいれて良いでしょうか?

まる氏:自分は独立してから仕事をもらったので、在籍時に作った人脈はあまりないないです。ただ、前職の上司から連絡が来て、プロジェクトが忙しいため手伝ってほしいと言われたことはありました。その時は、案件参画中でお断りしました。自分も会社員時代に、人脈を作ったほうがいいか不安がありました。実際にセミナーに参加したり、交流を広げようかと考えましたが、会社員時代にできる人脈は、会社員の中だけです。会社員の偉い方だったら仕事をもらえるかもしれませんが、起業家やフリーランスの人脈は会社員時代は、なぜかできない。独立したら後だと、繋がる人はみんな独立している方です。会社員と新たに繋がることは少なく、皆同じ属性の人と繋がろうとするのか、会社員時代に無理して人脈を作ろうとしても、徒労に終わる感じがある。人脈も、もしかしたら使えるかもしれないがスキルを優先的に見に付けた方がいいかと思います。

東野氏:僕も同じ意見人脈観点で在籍するのは価値を感じないかも

まる氏:前職の上司から声が掛かったと言ったが、コンサルファームとは直で契約はできない。フリーランスの身分だと、ビッグ4とは仕事できません。商流を挟まないといけず、マージンを取られる。結局マージンを取られるんだから、無理して人脈を作る必要もない。

Q:単価を上げたり、案件を獲得しやすくするためにコンサル会社勤務は必須ですか?このような経験の需要は高いのでしょうか?

東野氏:コンサルファームの案件をやるなら、コンサルファームに勤務していたほうが有利です。アクセンチュアならアクセンチュアを好む。TWCならTWCを好む。つまり自分達と同じ作法を知っている人たちを好む特徴があります。単価という観点でも、そのほうが有利で、数十万は違ってきます。事業会社の案件で、コンサルファーム勤務がそこまで重要かというと、ケースバイケースかなと。事業会社の業務内容に対して、コンサルファームがはまっていればそうだし、別の事業会社の経験のほうが優遇されたり、マーケティング会社の在籍経験が評価される時も、そこは一概には言えない。コンサルファーム案件ならこの質問はYESです。

まる氏:自分は元々Slerをしていたので、相談を受けるが、Slerだが独立したいという内容です。Slerから独立するのか、コンサルファームに転職して独立するのか、どちらのパターンが良いか?と聞かれる。フリーコンサルとして働くなら、コンサルファームに行くほうが良いです。

東野氏:よっぽど早く独立する事情がなければ、同感です。

まる氏:今すぐに独立しないといけない何かがある場合ですよね。

東野氏:どうしてもこの事業をすぐ立ち上げたいんだ!とかの理由ですかね。

まる氏:私の知り合いで、Slerから独立してフリーランスの方がいる。Twitterで活動しているケビン松永さん(40代)は十数年以上、大手企業でPMをやっていた方で、プロマネやIT業界・知識に詳しい人なので、フリーコンサルとしてやっていける。そういったすごい人でなければ、コンサルファームに行くのが良いと思います。

Q:1回の案件で実績を上げるためには、どのような準備をすれば良いでしょうか?

まる氏:準備について考えたことはあまりない。案件に入る前に、エージェントから紹介メールが来るので、自分にスキルマッチした案件を探して、面談等して向こうもOKだったら配属。その時点で、自分がある程度できる案件なので、無理しないとできない案件に入ることがない。

東野氏:私は準備一択。ベイカレにいたこともあって、知らない業界・システムなど自分がやったことがない未経験の分野があったので、本を買ったり、国会図書館に行って、全部調べてから案件に入っていた。最初のキャッチアップの下駄が、打ち合わせの理解力が全然違うそうすると、正のスパイラルに入る。打ち合わせで話が分かり、さらにキャッチアップが進むところまでは基本的に全部準備していた。

まる氏:最初の1ヶ月間が重要。案件に入ってからキャッチアップとか稼働を高めにしますね。。ある程度慣れてきたら、稼働を落とします。

東野氏:私は案件に入るまで心配性で準備するタイプです。

Q:要件定義など上流工程を経験前にフリーランスエンジニアとして独立した場合、製造工程以降の案件にしか参画できないリスクが高いと考えている。単価をアップさせるためには、焦らず上流工程を経験してから独立した方が良いでしょうか?

まる氏:エンジニア向けの上流工程案件があった場合、プログラムの経験しかないと結構、難しいかと思う。工程の上に行くとしても1個ずつしか行けないかと思う。

EFスタッフ:上の工程を希望されるなら、フリーランスになってからキャリアアップは難しいですね。会社在籍中に経験してからがベストかと思います。

東野氏:あとは単価を落としてでも上流工程に限らず、未経験を採用したければ、単価を落とすと、より未経験を採用する人は多い。結果的にそういう人は、再度単価が高くなる。その時だけは単価にこだわらずに、経験や自分の学習になるなら、単価を落としてでも入る。経験を積みに行く。工程を上げていくというより、コンサルで未経験の領域で経験を積む方はいらっしゃいます。

まる氏:転職して上流工程ができる会社に行くのがいいかもしれませんね。

東野氏:会社で上流工程をやっている場合であれば、そうですね。

Q:2年目のSEです。どのような事がシステムで組めて、費用はどの程度実現可能化を解像度高くお客様に提案できるITコンサルは単価が高いと思う。SEの現場経験は武器になると思うが、SE経験があるITコンサルは提案の解像度が高いと思ったことはありますか?

東野氏:私は完全にYESです。

まる氏:ITコンサルプロパーと、SEからのコンサル、どちらがいいのか、どういう違いがあるか、と聞かれているのかと思いますが、私もSEを経験してからITコンサルなので仮説でしかないが、今は技術系の案件をやっていて、モビリティー関係のDX2つ関わっています。プロダクトの開発みたいなことやっていて、1つはバスロケのプロダクト開発していて、バスロケとは、バスにデバイスを乗せて位置情報を取得してその位置情報をもとにバス会社がリアルタイムでバスがどの路線に対してどうなっているか、リアルタイムで見れたり蓄積して分析できたり、搭乗者も乗る前にバスの位置を確認できる。そういうプロダクトを作っています。ableauでのデータ分析のプロダクトも作っているが、事業会社の案件に参画しているのですが、事業会社は開発部を持っていないので、システム開発はITベンダーに発注しています。ITベンダーに発注すれば出来上がる訳ではない。どうマネジメントするのか、リスクを事前に洗い出す。そういう事をしないといけないので、それがSEとしての経験の賜物なのか分からないが、プロジェクトマネジメントやシステム開発工程を任せて、受け入れテストなど支援しているので、そういったものがSEの経験として活きている。仮説ではありますが、質問の答えは私もYesです。

東野氏:技術的に知っているのと知らないのは、大きな違いがある。工数の感覚は作ったことのある人でないと、分からないかと思います。ITコンサルだと、事業者側に入ること、つまり発注者側に入るのが基本的に多いので、費用見積、実現性などを解像度高く出来るのは、かなりバリューになるのではないかと思います。

Q:フリーランスになるにあたりパワーポイント作成、図解説明能力はコンサルファーム並のスキルが必要でしょうか?

東野氏:案件によるが、できると幅が広がります。
まる氏:イーストフィールズや、他社エージェントの案件紹介をみていると、必須スキルや、wantスキルにプレゼン、スライドスキルやファシリ能力も書いている案件が多いと感じます。必須ではありませんが、出来て欲しいお客様が多いと思います。

まる氏:スライド作成スキルはあったほうが良い。大企業の案件は説明しなきゃいけない。自分が手を動かすより、人を動かすのが本質だと思っています。そのため、人を動かすために何をして欲しいかを伝え、なぜかを伝えられるとシンプルに強いと思います。

対談動画はこちら ⬇

https://youtu.be/luSE66DHnTg