本記事のサマリ
フリーランスコンサルタントインタビュー企画第四弾では、長崎県にてフリーコンサルとして活躍されている栗山領河さんにお話を伺いました。 栗山さんは、大学院でデータ分析を専攻し首席で修了後、新卒でアサヒビールに入社しました。その後アクセンチュア、プラグマテクスとコンサルティングファームを中心に、マーケティング・新規事業・営業改革と多岐にわたるプロジェクトで実績を積んできました。 長崎に移住後はフリーランスコンサルタントとして独立し、ProConnectを通じて案件に参画しています。 今回は、現在栗山さんと同じ案件に参画していて、同じアクセンチュア出身であるWorkX社員の桑山がインタビュアーとなり、「長崎の企業を支援したい」という想いと共に新たなキャリアを歩む栗山さんに、これまでの軌跡と今後の展望を伺いました。
インタビュイープロフィール
- 氏名:株式会社Lea Schritt代表 栗山 領河さん
- 略歴:同志社大学大学院文化情報学研究科(首席修了)→ アサヒビール株式会社→ アクセンチュア株式会社→ 株式会社pragmateches(プラグマテクス)→ 独立(株式会社Lea Schritt代表)
- 専門領域:経営コンサルティング/データサイエンス/ITコンサルティング/新規事業開発/営業改革
- 現在の働き方:株式会社Lea Schrittの代表として、経営・データ・ITを横断したコンサルティングを提供。中小企業向けにCOO代行(COO-as-a-Service)、AI/DX導入支援、業務自動化(RPA)などを手がける
インタビュアープロフィール
- 氏名:桑山 諒夕(くわやま りょうゆう)
- 略歴:株式会社WorkXにて学生インターンとして事業立ち上げに従事→早稲田大学卒業→アクセンチュア株式会社→現在WorkXにてマーケティング部長とコンサルタントを兼務
- 専門領域:マーケティング戦略/ITコンサルティング/BPRなど
新卒でアサヒビールに入社。データ分析を用いて営業職を全うした7年半
桑山 本日はよろしくお願いいたします。栗山さんとは現在同じプロジェクトに参画しているので気恥ずかしいですが、改めてキャリアの歩みや今後の展望についてお聞きできればと思います。
新卒はアサヒビールに入社されていますが、背景など伺ってもよいでしょうか。
栗山氏 大学院時代に統計学を専攻しており、マーケティングの知識やデータ分析を活用して商品開発に関わりたいという気持ちがあり入社しました。まずは全員が営業職からのスタートでしたが、データを活用できるポジションを希望し、スーパーマーケットチェーンの商品部担当に配属されました。
桑山 営業職でデータ分析をする方は珍しいと思いますが、どのような経緯で携わることになったのでしょうか?
栗山氏 配属直後から、統計学の知識を活かして自らPOSデータを分析してクライアントへの提案に落とし込んでいました。
当初は、現場での提案の仕方に難しさを感じることもありましたが、担当チェーンの商品部長と直接やり取りを重ねることで、商圏データやPOSデータを用いた棚割の提案や、売り場のレイアウトを一緒に考える仕事ができるようになっていきました。スーパー全体の売上向上を共に考えるコンサルタントのような動き方ができていて、そこに大きなやりがいを感じていました。
桑山 順調にスキルアップされているように聞こえますが、逆に苦労した点はありますか?
栗山氏 データを元に改善案を提示しても、現場の店舗では必ずしもその通りに反映されないことがあり、そこの調整には苦戦しました。結局は現場の人間関係があって初めて提案が通るということを痛感しましたね。そのため、毎日のように店舗を訪問して挨拶を重ね、誰がどのような話をしているかを把握しながら人間関係を構築していきました。売り場にも足繁く通っていたので、その結果バイヤーの方から「あの売り場をどうすればいいか」と相談を受ける関係性にまでなりました。
桑山 泥臭くステークホルダーを巻き込む、まさにコンサルタントのような動きを当時からされていたのですね。
栗山氏 そうですね。仕事とは直接的には関係のない日常的な会話も大切にしながら、関係者との信頼関係を丁寧に築いていきました。こうした営業経験が、今のコンサルタントとしての仕事にも活きています。
また、スーパーだけでなく、コンビニや卸の企業も担当しました。そこで、物流や納品の交渉、SCM(サプライチェーンマネジメント)も含めて、業界の仕組みや現場で起きていることへの解像度を高められたことは、今コンサルタントとして働く上での大きな強みになっています。
アクセンチュアに転職し、コンサルタントとしてのキャリアをスタート

桑山 アサヒビールでの経験を経て、どのようなきっかけがありコンサルファームへの転職を検討されたのでしょうか?
栗山氏 データを活用した課題解決に面白さを感じる一方で、アサヒビールではある程度やり切ったという感覚が生まれ、転職を考え始めました。また、メーカー企業である以上、クライアントに対して完全に中立な立場で提案し続けることには限界があると感じており、自分が本当に良いと思うものを純粋に提案できる環境として、コンサルという選択肢が自然と浮かびました。加えて、アサヒグループの研修に参加した際に、山口周さんというコンサル出身の外部講師の方のお話を聞く機会があり、その方の話に刺激を受けたこともきっかけの一つになっています。
桑山 数あるファームの中でも、アクセンチュアを選ばれた理由を教えてください。
栗山氏 世界最大規模の案件数を保持しているので、幅広い知見や情報を収集できる環境だったことが大きな理由です。外資系企業ならではの仕事の進め方や働き方を体感してみたいという気持ちもありましたね。
桑山 事業会社からコンサルへの転身で、ギャップは感じましたか?また、栗山さん自身の意識や働き方で変わった点があれば教えてください。
栗山氏 想像していたよりもギャップはありませんでした。もともと資料作成や分析が好きだったので、入社後に戸惑うようなことはありませんでした。
最も変わったのは、時間に対する意識です。クライアントからお金をいただく仕事なので、自分の時間に対してどれだけバリューを出せているかを常に意識するようになりました。以前は時間をかけても成果を出せば良いという感覚でしたが、限られた時間の中で効率よく成果を出すことへの意識が自然と身についていきました。
桑山 業界も領域も異なる様々なプロジェクトにて成果を出されていますが、一貫して意識していたことなどはありますか?
栗山氏 自ら手を挙げて、あえて未経験の領域に飛び込んでいったことが大きいと思います。
最初のプロジェクトはアサヒビール時代の延長線上にあるものでしたが、せっかくアクセンチュアに入ったのだからと、次は全く異なるシステム領域のプロジェクトに手を挙げました。当時のコーディングスキルは、統計の勉強でPythonを少し書いたことがある程度で、システム領域はほぼ初挑戦でしたが、短期間で実装まで担えるようキャッチアップしました。それでも、飛び込んでしまえばやらざるを得ない状況になるので、自分を追い込むことでスピーディーにキャッチアップできると考えていました。実際、このプロジェクトが一番楽しかったですし、学びも大きかったです。アサヒビール時代からシステム領域に興味はあったのですが、強いられていない環境だとなかなか自分からは動けないので、あの時思い切って手を挙げたことが今のキャリアに活きていると思います。
桑山 コンサルタントに求められる基本を忠実に徹底されていた形ですね。私も同時期にアクセンチュアにおりましたので、ご一緒したかったです(笑)
栗山氏 同じ部署でしたが、全く関わらなかったですね(笑)あとは、非常に面倒見の良いマネージャーと出会えたことも大きく、今でも連絡を取り合うほど良い関係が続いています。 上司との関係は本当に重要だと実感しました。
桑山 上司ガチャ、大事ですよね。
長崎移住という決断と、プラグマテクスへの転職
桑山 アクセンチュアからプラグマテクスへ、長崎移住のタイミングで転職されていますが、どのようなきっかけだったのでしょうか?
栗山氏 妻の実家が長崎で、子供が小学校に上がる前に今後のことを決断しておく必要があり、移住を決めました。ただ、自分のスキルをまだまだ磨きたいという気持ちがありました。そこで出会ったのがプラグマテクスです。BCG(ボストン コンサルティング グループ)出身の方が創業した戦略ファームで、代表以外にもマッキンゼーやアーサー・ディ・リトルなど戦略系ファームの出身者が多い会社でした。そういった戦略ファーム出身の方々と働ける環境そのものに強く惹かれ、条件面でも納得感があったことに惹かれました。本来は東京や関西在住の方が中心の会社でしたが、オンラインでもデータ領域で貢献できると話したところ、長崎からのフルリモートでも問題ないと言っていただけたので入社しました。
桑山 長崎に住みながら、より経験を深められる刺激的な環境に飛び込まれたのですね。その後の2025年10月頃、フリーランスとして独立された背景を教えてください。
栗山氏 大きく分けて2つあります。1つはライフステージの変化です。プラグマテクス時代を経て、子育てと仕事の両立を見据え、より裁量高く働ける形を主体的に選びたいと考えるようになりました。
桑山 もう1つはどのような理由ですか?
栗山氏 AIの台頭も大きな理由です。プラグマテクスではデータサイエンティストとしてモデルの構築なども行っていたのですが、ちょうどその頃アクセンチュア時代の知人からClaudeCodeをはじめとした最新のAIについての話を聞く機会がありました。
AIが急速に広がる今の時代、戦略を描く力の重要性はむしろ増していると考えています。ただ、その戦略を最新のツールやテクノロジーと結びつけて成果に変えていくには、自分自身がAIに触れる機会を増やし、能動的に情報を取りに行ける環境に身を置くことが欠かせないと感じるようになりました。組織の中で与えられる情報を待つのではなく、自らビジネスを動かしながら最先端をキャッチアップしていく方が、今後のキャリアにとってもプラスになると判断し、独立を決意しました。
またプラグマテクスでの経験を通じて、自分が本当にやりたいことや目指す方向性がより明確になっていったことも事実です。その経験があったからこそ、独立という一歩を踏み出せたと今は感謝しています。
WorkXチームの一員としてのプロジェクト参画
桑山 栗山さんには現在、ProConnectを通じて私と同じプロジェクトに参画していただいていますが、ファーム在籍時と比べ、働き方はどのように変わりましたか?
栗山氏 フリーランスとしてプロジェクトに参画しているので、社内の煩雑な業務が一切なくなったことは非常に大きい変化ですね。経理処理などはありますが、それは自分自身のことなので当然のこととして受け止めています。
桑山 弊社の社員と一緒に参画するプロジェクトという点はいかがでしょうか。
栗山氏 その点も大きいですね。WorkXさんが既に深い関係値を築いているクライアントのプロジェクトに入れることは、独立直後のフリーランスとして安心感があります。
プロジェクトの進め方についても、はじめは桑山さんと進め方や期待値を密にすり合わせていましたが、早い段階から裁量を持ってお任せいただけるようになりました。通常フリーランスではこうもいかない部分があると思いますが、対等なビジネスパートナーとして動いている感覚があります。
桑山 弊社の社員として働いている感じがするとも言っていただいていましたよね。
栗山氏 そうですね。コンサル業界の最新の情報もいただけますし、プロジェクト実施が決まった背景を理解した上で提案や実務に臨めるので非常に助かっています。
桑山 弊社としても、プロジェクトや業界全体の情報をお伝えできる体制になってきているので、そこは引き続き大事にしていきたいです。一緒に提案を広げていく部分でも連携できるかと思います。
栗山氏 そこは本当に助かっています。
実はアクセンチュアやプラグマテクスを退職する時に一番心配していたのが、最先端の取り組みや事例がなくなってしまうことでした。同じようなことをずっとやり続けていては、コンサルとしての市場価値が下がってしまうという危機感があったので、どのようにキャッチアップできる環境を作るかをずっと考えていました。自分でもAIや経営のコミュニティにいくつか入ってインプットをするようにしているのですが、そこにプラスアルファで桑山さんからも事例などを共有していただけることもあり、むしろ独立してからの方がさまざまな情報を収集できているという感覚があります。
桑山 そう言っていただけると嬉しいです。栗山さんについては弊社社員のメンバーもかなり育成していただいておりますし、本当に助かっています。栗山さんに付けているメンバーは、まさに上司ガチャの"当たり"を引いています。優秀なフリーランスの方から色々と吸収できるのは、弊社の良いところの1つです。
ただ、社員同士であれば育成も自然な役割の一つですが、フリーランスの方に対してはどこまで関与していただくのがよいのか、判断が難しい場面もあります。
栗山氏 そうですね。どこまでサポートさせていただくのが良いのかは、判断が難しいと感じる場面があります。社員同士であれば育成も自然な役割の一つとして関われますが、利害関係のない立場ではその境界線が難しいです。その方の状況や生活のことを考えると、会社員同士のように気軽に動けない部分もあります。
長崎の企業を、大手企業と同じ水準で支援したい
桑山 今後見据えているキャリア・会社の展望についても伺いたいです。
栗山氏 大手のコンサルファームは単価が高いため、大企業以外で支援を必要としている企業は依頼したくても依頼できないという現実があります。そういった企業にも、大企業でなくてもアクセスできる適正な価格と体制で、質の高いコンサルティングを届けたいと考えています。 中小企業への価値提供として最適な形を、事業モデルとして具体化している段階です。少数精鋭のチームで九州・長崎に特化する形か、エリアにこだわらない形かなど、複数の選択肢を検討しています。
桑山 長崎の企業の方々と話されていると伺いましたが、その中で、具体的に感じていることはありますか?
栗山氏 AIなどの最新の情報を知っているか知っていないかだけで、企業の成長にこれだけ大きな差が生まれてしまっている現状は非常にもったいないと感じています。
せっかく長崎に住んでいるので、長崎の企業を応援したいという気持ちは強くあります。
桑山 大手企業ではセキュリティの観点からAIの導入に対してハードルが高い一方で、規模の小さい企業の方がむしろ柔軟に取り入れられる可能性がありますよね。
栗山氏 そうですね。だからこそ、せっかく長崎に住んでいるので、長崎の企業を応援したいという気持ちは強くあります。
桑山 最後に、独立を検討している方へメッセージをお願いします。
栗山氏 独立前は、仕事がなくなるのではないかという不安がありました。しかし今の時代、ProConnectのような案件紹介サービスも充実しており、自分のスキルにある程度自信があれば仕事がゼロになることはないと実感しています。
また、法人を設立することで会社や経営の仕組みを学べたことも、自分にとって非常に良い経験になりました。時間の使い方や働き方という意味でも、フリーランスという選択肢は非常におすすめです。自分の武器となるものが1つでもあれば、ぜひチャレンジしてみてください。
あとがき
アサヒビールの現場営業から始まり、アクセンチュアでのコンサルタント経験から長崎移住というライフイベントを経てフリーランスとして独立した栗山さん。
長崎をはじめ、これまで大手ファームでは支援が届かなかった企業へ最先端のコンサルティングサービスを届けるために、これからも挑戦は続きます。
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