フリーコンサルタントの方から2つの案件のメリット・デメリットについてのお問い合わせをいただきましたので、今回はコンサルポジション案件とユーザーポジション案件の違いについて、検証していきたいと思います。
2つの案件の定義
Q:コンサルポジション案件、ユーザーポジション案件、それぞれの定義はありますか?
A:今回は「コンサルポジション案件=課題を外部の立場から変革する案件」「ユーザーポジション案件=課題を内部の立場から変革する案件」とします。
「内部」とは「クライアント先への出向など」と位置付けます。
契約上の違い
Q:契約上のそれぞれの違いについて、詳しく教えてください。
A:コンサルポジション案件の場合、準委任型の契約になることが多いため、稼働率の取り決めはあるもののアウトプットベースで判断されることが多いです。一般的にドレスコードや喫煙ルールなどはクライアントに合わせることが多いですが、就業規則や勤怠などは関与されず、業務としては現状業務の一部の巻取りなどよりも何かの変革にコミットすることが多いです。
一方、ユーザーポジション案件の場合、契約によりますが準社員的な人格で動く場合がほとんどです。稼働率は厳格に見られる可能性が高く、クライアント内サイトで勤怠を報告することなどもあることから、業務代替の要素もあります。
コンサルポジション案件のメリット&デメリット
Q:コンサルポジション案件のメリットは何ですか?
A:アウトプット(成果物)ベースの働き方になるので、時間のコントロールをご自身の裁量で出来ることだと思います。
Q:時間軸で考えるとメリットがあるということですね。
A:例えば、報告会などのマイルストンに向けて集中的に準備し、マイルストンを達成した後は早めに仕事を切り上げてリフレッシュといった生活を送ることが可能かと思います。
また、その時間で他の案件に参画するという選択肢もあると思います。
Q:では、デメリットは何ですか?
A:1つ目のデメリットは、平均的な案件期間からすると比較的短期間の案件が多い事です。
Q:案件が短期間であることのデメリットとは?
A:フリーコンサルタントであれば、収入を途絶えさせないために案件終了とともに次の案件に入るのが理想かと想定できますが、短期間ですと次の案件も探しながら現案件の進行というフローになります。
Q:2つ目のデメリットは何ですか?
A::成果物の提出が仕事のため、最終的にクライアントの望むレベルのものに仕上げることが出来るかという、重責が御本人にかかっている点かと思います。
正確にいうと、準委任契約ではアウトプットのクオリティは問われないですが、クライアントの希望に沿わない場合は報酬減額や案件継続が難しいという現実があります。
ユーザーポジション案件のメリット&デメリット
Q:ユーザーポジション案件のメリットは何ですか?
A:案件期間の対比でいくと、コンサルポジション案件よりも比較的に中・長期の案件が多い点だと思います。
Q:その他にありますか?
A:コンサルポジション案件と比べると、成果物ではなく通常の社員のような立場になるため、結果だけではなく過程が重要視される事だと思います。
Q:ではデメリットは何ですか?
A:通常のコンサル業では関わらなくてもよい社員業務とされる作業のような仕事にも携わる事があるかと思います。
Q:それ以外に何かありますか?
A::社員のような立場=指示系統に近い関係が発生することがあると思います。
具体的には、クライアントのある部署の一メンバーとしての稼働となるため一般的な企業における上司・部下に近い雰囲気が醸成されるケースがあります。
結局どちらの案件を選ぶべき?
Q:それぞれのメリット・デメリットは理解したのですが、結局のところどちらを選ぶべきなのでしょうか。
A:結論、選ぶ当事者の方が案件に取り組む際に何を優勢するかによるとは思います。
しかし、フリーコンサルタントとしての大きな目的の1つは継続して案件を獲得し収入をアップすることかと思いますので、キャリアアップの視点から判断するとコンサルポジション案件に取り組むのがベストではないでしょうか。