Freelance consultant interview “キャリア”と“働き方”~マーケティングディレクター ニコローバ・ビオリーナさん~
2023.04.27

本記事のサマリ

このコラムではProConnectに登録いただいているフリーコンサルタントの方に、ご自身の“キャリア形成”と“理想の働き方”についてインタビューさせていただいた内容をご紹介致します。 第二回目は、ニコローバ・ビオリーナさん。地方創生、物流、鉄道、スポーツチーム、飲食などマルチな分野で、マーケティング立案・コンサルティング・サポートを提供しており、その他にもWEBやアプリのディレクション、講師やモデルの活動等、マルチな活動を行なっている。彼女は、プライベートとのバランスを重視し、自分のやりたいことに余裕を持って取り組むことで理想的な働き方を実現している。

キャリアについて

Q:経歴について教えてください
A:大学卒業後、2012年4月、Sony株式会社(HQ)に入社。ホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ関連の事業部(後に「ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社」として2019年に発足)に配属。グローバルマーケティングコミュニケーション(Webディレクション、オンライン施策、PR)およびブランディング関連の実務を8年弱積み重ねました。 2019年8月にマーケティングプランナーとして独立。地方創生、物流、鉄道、スポーツチーム、飲食などマルチな分野でマーケティング立案・コンサルティング・サポートを、現在行っています。一方では、2015年(26歳)に長女を出産。2016年には都心から湘南エリアに移住。現在は7歳になる娘の子育てをしながら、コンサルティングをメインに、活動中です。

Q:コンサルタントになった理由、きっかけは?
A:高校生のときから日本で生活をしていて、一生日本に住みたいという思いでいる。
会社員時代から日本の問題として①地方の過疎化②教育の2点に問題があると捉えており、フリーランスとして独立したのは、同じ思いをもった会社員時代に出会った方が取り組んでいた地方創生につながる地場産業を応援するプロジェクトへの参画でした。

Q:幅広く活躍されていますが、活動されている内容について詳しく教えてください
A:メインは、フリーランスで、まちづくり/暮し/コミュニティ作りなどの文脈で、マーケティングコンサルタント/マーケティングプランナー/ブランドストラテジストとして活動中です。他にも、WEBやアプリのディレクション、本業の延長で複数の企業様向けに登壇/セミナー/単発のコンサルティング/企業向け社員研修も実行しています。また、定期的に、女性としての働き方に関する講演、異文化理解講師、神奈川県内複数の高校の教壇で特別講師。ビジネス英会話の先生。モデル活動。等、マルチに活動を行っています。

Q:現在はどんな案件に参画されていますか?
A:現在、複数案件に参画しています。大手の案件は、大手飲料メーカー、大手建材メーカー。地方創生案件は、地場産業系中小企業です。CRM構築ではスタートアップ企業、飲食店プロデュース、老舗会席料理店のDX&リブランディング、など6件の案件に参加し、その他、単発の登壇、英会話講師やモデルなどです。

Q:具体的なお仕事の内容を教えてください
A:具体的な仕事の内容としては、コーポレートブランディング、サービスブランディングで、上流のマーケ施策や制作ディレクション。また施策実行あるいは実装後の、KPI設定、数値をもとに更なる施策のディスカッショ&ディレクション。WebやSNS中心ですが、コミュニティ醸成のためのイベントの企画もときどきあります。イレギュラーなものだと、ToB向けのCRM構築や、内製で事業拡大がしたいけど、組織が育たないという案件に対しては、仕組みづくりを実施します。マーケコンサルの案件以外には、企業や高校で講師として登壇しています。

Q:領域としても幅広くご活躍ですが、大切にしていることはありますか?
A:工夫しているポイントとしては、上流設計案件では、とにかく“丁寧なすり合わせ”を心がけています。特にコミュニケーションがオンラインが中心なので、ツールを介しての、細かい内容の見える化の精度に拘ります。“何のためにこれをやるか”を大切にしないと、どんどん蛇足、どんどん化けていってしまい、結果として、誰も責任取らないという状況をつくらない事が重要だと捉えています。

Q:地方創生としての現在の主な活動は?
A:建物を使っての場づくりとしては、古民家再生、鉄道会社とクリエイティブエージェンシーと協業案件(神奈川県大山にて)にてエリア戦略の整理及び指針を作成しています。
・再生建築としては、地場産業の日本の離島における、離島ブランディング、及びエリア特化型CRMシステムの構築プロジェクトに参画中。また、静岡県にある創業150年の老舗家具メーカーでは、デジタル中心のリブランディングを行い、デジタルで付加価値の形成や、コミュニティの場を創造しています。

Q:地方創生の活動は、フリーランスへの転身のきっかけでもあるとの事ですが、今後の展望はありますか?
A:先程お伝えした内容は案件として参画中のものですが、自身でも動いています。先日は、現在東京から移住して住んでいる鎌倉で、個人的に商工会にアプローチして使用しなくなった施設を活用して小さなマルシェを開催しました。
向こう1年の目標は、ライフワークとしてSNSで個人的につながった人たちの元に出向いて、現在抱えている問題をヒアリングし、過疎化する地方の活性化にむけて貢献できればと考えています。実は、先日すでに、石川県、京都、仙台へワーケーションに出向いたばかりです。

Q:地方創生の活動をされる中で、苦労されていることはありますか?
A:地方活性化には資金面での問題がついて回ります。しかし、その問題を解消できるクラウドファンディングの立ち上げにも携わりました。そのサービスは、通常のクラウドファンディングとは違い、個人投資家を集めた共感型の資金調達サービスで、投資金額が高額であることと、参加者の事業計画の見直しなどを行うサポート体制があるのが特徴です。

Q:まさにパラレルキャリアを築いていらっしゃいますが、キャリアの形成秘訣は?
A:雇用体系や働き方が多様化している中で自分が特に重要視しているのは、“周囲と比べる” “周囲に合わせる”ことをせず、自分の価値観に沿った案件やプロジェクトに参画することです。どうしても、自営は「案件が無くなったらどうしよう」や「チームがいない」不安と戦いながらだと思うのですが、無理して案件参画やチーム参画は、自身を消費するのみだと思っているので、せっかく自営という自由に働ける環境なのであれば、価値観にあったものを選びたいと思っています。
また、チャンスをものにすることも意識しています。チャンスは、意外と“そこらじゅう”に転がっています。
そんな時に“計画的に偶然”を起こせる力が有ると、掴めるチャンスも幅が広がりキャリア形成を牽引していくと捉えています。
こんな時代だからこそ、将来や5年後など、先のことを意識しすぎず “今何がしたいか” に焦点を当てつつ、日々“偶然”に起こる出来事から活動を発展させています。
常に意識しているのは1,何事も好奇心をもつこと  2、柔軟に動けるフットワークの軽さ 3、何とかなると信じる楽観視  4、私にしかない価値があると思う自己肯定感の4つを、常に意識していると“良質な偶然” “多くのチャンス”を引き寄せられるし、キャリアにも繋がると思っています。


女性としての働き方に関する講演中のニコローバさん


モデルのお仕事ではお子さんも一緒に

働き方について

Q:たくさんお話を伺いましたが、ご自身の描く理想の働き方はありますか?
A:理想の働き方としては、現在かなり実現できていると思います。

Q:理想の働き方を実現するための工夫や秘訣を教えてください
A:基本のパーセンテージはクライアントワーク/伴走メインのフリーコンサルタントですが、やりたい時にやりたいことができるように必ず余白を作る工夫をしています。
また、自営だと、働こうと思ったら、24時間365日働けてしまう。変な話、その中でもプライベートとのバランスが大事であると捉えています。例えばですが、3月末〜4月頭って、こどもの春休みや学年の切り替わりで、ケアや、寄り添いが必要な時期です。この期間、実は旦那さんの仕事の年間を通してのピークでもある。フリーならではの私がいかに柔軟に動けるかが、ポイントになってきます。今回は、仕事を3月頭に前倒しさせたり、後ろに調整して、春休み期間は、娘とワーケーションを実施しました。逆に、今週末からは旦那が落ち着くので、例えば、土日は完全に娘と家のことを任せて、私は両日仕事。こうしてピーク期間をずらしたり、娘と向き合える時間を作ったり出来るのは、フリーならではの理想的な働き方の実現と言えます。

Q:将来のビジョンは、ありますか?
先ほども、お伝えしましたように、予測不能な時代だからこそ、将来や5年後など先のことを、あまり意識しすぎない様にしています。「こんな価値観のプロジェクトに参画し、こんな活動がしたい」や「これくらい働きたい」など、自分の気持ちに重きを置くことを大切にし、あとは、可変的にいられる様に意識しています。その方が、クイックに柔軟に動けると思っています。とはいえ、実は1つ具体的な目標を持っており、今はフリーランス/個人事業主ですが、近いうち、活動の1部を抽出して法人化を考えています。ぜひ、楽しみにしていてください!


景色の良い場所でワーケーション中の風景


旦那様とお子様、家族と一緒にリモートワーク中の様子

最後に

今回お話を伺い、ビオリーナさんの思い、目標に対する実行力に驚かされれました。まさに有言実行!何より、ビジネスパーソンでありながら、母としても全力でおこさんへ寄り添う体制をつくっていらっしゃる点は、感動の一言に尽きます。これからもアツいパッションで、ご自身の描くビジョンを実現されていくのだろうと想像できます。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!