円滑なファシリテーションを進行するスキルとは?
2023.07.21

本記事のサマリ

ファシリテーションは会議やミーティングを円滑に進める技法であり、参加メンバーの意見を促し整理し、重要な論点を引き出し議論を広げ収束させるための行動を指します。ファシリテーションの重要性は働き方改革により、時間当たりの生産性や効率性の向上が求められる中で高まっており、リモートワークが増えることにより非対面でのコミュニケーションの重要性も増しています。 今回は、ファシリテーションの手法と必要な能力についてご紹介します。

ファシリテーションとはなにか

ファシリテーションとは「会議やミーティングを円滑に進める技法」のことです。
参加メンバーの発言を促す、意見を理解、整理し重要な論点を引き出し、議論を広げ、収束させ合意形成をサポートする、一連の行動を指します。図のように①〜④の流れで進行します。

ファシリテーションの重要性

近年、働き方改革により、時間当たりの生産性や効率性の向上が求められ、ファシリテーションの重要性も高まっています。また、リモートワークが増えることにより、非対面でのコミュニケーションの重要性も増しています。
会議は、多くの社員の時間を拘束しているため、コスト・工数を費やすため、ファシリテーターがいることにより、会議を効率的に運営することで、無駄な工数を無くし効率的に運営することが重要です。ファシリテーターは、コスト意識を持つ事とは新たなアイディア創出に繋げることを意識して進行します。

ファシリテーションの目的 1

効率的に会議を運営し、参加メンバーの「腹落ち感」を生み出すことです。
「腹落ち感」とは各々が会議の目的を理解し、あるべき姿を自ら描いて、当事者レベルで納得している状況を指します。ファシテーションにより組織の意思決定力や問題解決力も高まります。そのため、会議を円滑にすすめる技術にとどまらず、リーダーにとって必須スキルとも言えます。

ファシリテーション目的 2

ファシリテーションを実行することにより、コンサルタントとしてすぐにバリューを発揮しやすいため、参画初期はクライアントに認めて貰いやすくなります。
プロジェクトへ参画初期で、中身を十分に理解できていない状況でも、定例会議等、ある程度決まった会議であれば、ファシリテーターとして回していくことが可能です。
何か物事を決めるアクション会議でも、会議の最後に決まったことの再確認や、次回のアクションの確認等をすすめ、次回の場を設定する等、価値を出せる場合もあります。

出発点と到達点の明確化

会議をどこからスタートさせるかと、ゴールはどこを目指すのかを事前に決めてから会議を始める必要があります。物事の決定の途中がスタートである場合や、ファシリテーターの前任者がいる場合もあるため、事前にスタート地点を明確にすることが必要です。会議のプロセスを理解して流れをイメージしてから会議を進めましょう。

参加者の把握

参加者それぞれの保有情報を把握し、会議の前提やミッション、共通認識などを統一します。メンバーの少ない会議や、参加者の方が協力的であれば参加者の把握をせずとも会議を進められますが、参加メンバーの多い会議や、物事を決めるのが難易度が高い会議の場合は参加者のメンバー把握が必要です。例えば、業務側とシステム側で意見の調整をしなければならない会議のケースでお互いの妥協点がみつけにくい会議であれば事前に決定したい内容について、話をしておく事が大切です。参加する会議のキーパーソンを抑えておくことも重要です。

タイムマネジメント

定めたゴールに到達するために、あらかじめ各ステップの時間を決めて進捗を確認しながら会議を進めていきます。最初は、ある程度仮説を立てて、上司に確認してから進めるのも方法の1つです。承認を得ないと先に進めないタスクは会議の前に確認しておきましょう。また会議前にタイムスケジュールを共有することも有効です。

結論付けと合意形成

最後に、決定事項や今後のアクションを明確にし、参加者の意見や認識を統一させて、会議を締め括ります。
特に会議の中で、誰が何をするかというタスクが明確に決まらないことが多いので、今後のアクションを明確にし、決定事項を共有し次回の会議の論点を確認して会議を締め括りましょう。

必要なスキル ①理解力

ファシリテーターは、参加者の多様な意見や発言の内容を瞬時に理解し、整理しながら、進行する必要があります。
コンサルタントとしてプロジェクトに参加してすぐにファシリテーターを任される場合があります。事前に準備が可能な場合は、関連資料を読むなど、わからない単語を調べる等の工夫が必要です。また、会議を進める中で、知らない用語がでてくる事も多々ありますので、その場合はメモを取り、あとで調べるようにしましょう。会議の流れを壊さないように進めることが大切です。

必要なスキル ②論点を理解し、整理する力

ファシリテーターには、論点を理解・整理する能力が求められ、そのため「論理的思考力」を高める必要があります。
過去の資料から情報をとるなど、徐々に理解していくように努めてください。
案件に初参加している場合、初回は議事録をとらせてもらって、その後にファシリテーターとして進行するという方法もあります。

必要なスキル ③質問力

ファシリテーターには質問力も必要です。参加者の話の内容が不十分な場合などは適宜質問する必要があります。つまり、質問力は不明点や疑問点などを問いかけ、意見交換をするきっかけになるスキルです。
例えば、対立・混沌に対処するための質問としては、互いの意見を並べ、メリット・デメリットを比較したりして、総合的に判断して貰うようにしましょう。または上長の意見を仰ぐ形にもっていきます。

必要なスキル ④傾聴力

参加者の発言意欲を高め、議論を深めるためにファシリテーターには傾聴力も必要です。
例えば、有識者の中には喋るのが苦手な方もいますので、話しやすい雰囲気をつくり参加者が積極的に発言できる事を意識しましょう。また会議の中で出た話を深掘りし、議論の本質を明らかにすることにも繋がります。

チーム力強化

ファシリテーションは、参加者同士の相互作用により、自発的な問題解決を促すことに繋げ、結果的にチーム力を強化します。
参加者の気づきを自発的に促せるファシリテーターだとチーム力アップや打ち合わせの効率化にも繋がります。参加者との関係を何度もある定例で関係を築いていくと、チーム力強化に繋がります。