プロコン(Pros Cons)とは?ビジネスでの使い方を現役コンサルが解説
2024.11.08

本記事のサマリ

プロコン(Pros Cons)は、ビジネスにおける選択肢のメリットとデメリットを整理し、合理的な結論を導くための効果的な手法です。本記事では、プロコンの基本的な考え方や活用ステップ、注意すべきポイントについて解説します。ツールの導入や内製・外注の選択など、具体例を交えながらプロコンの実践方法をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧いただき、意思決定に役立てていただければ幸いです。

プロコン(Pros Cons)とはメリット・デメリットを分析する思考法

プロコンの基本的な意味

プロコン(Pros Cons)は、英語圏で古くから使われている「賛否両論」を意味する表現で、物事の良い面(Pros)と悪い面(Cons)を考え抜くことで、バランスの取れた判断を下すことを目的としています。英語では「Pros and Cons(プロズ・アンド・コンズ)」と発音しますが、日本のビジネスシーンでは「プロコン」として広く浸透しています。

この考え方は、選択肢を評価し、物事を多角的に見るための方法として使用されてきました。特に、意思決定を行う際には、選択肢のメリットとデメリットをリスト化して比較することで、判断材料を整理し、合理的な結論を導き出す助けとなります。

ビジネスシーンでは、プロジェクトの評価、投資判断、新しいツールの導入など、さまざまな場面でこの思考法が役立ちます。

意思決定における利点

プロコンは、ビジネスにおける意思決定をサポートするための強力なツールです。意思決定の過程において、プロコンがどのような利点を提供するのか、以下で具体的に見ていきましょう。

  • 複雑な問題をシンプルに整理できる:プロコンの最大の利点は、複雑な問題をメリットとデメリットに分けることで整理できることです。これにより、選択肢の違いや影響を把握しやすくなり、判断をスピーディーに進めることができます。
  • 客観的な評価ができる:プロコンを使うことで、感情やバイアスに左右されず、ビジネスの意思決定において重要な、事実に基づいた冷静な評価が可能になります。
  • メリットとデメリットのバランスが取れる:各選択肢のメリットだけでなくデメリットも同時に評価することで、偏った見方を避け、バランスの取れた意思決定ができるようになります。これにより、感情に左右されず、理論的かつ客観的な選択が促進されます。
  • 複数の視点を取り入れる:プロコン分析は、複数の関係者や部門の意見を取り入れることができるため、異なる視点からの評価が可能です。特に大規模な意思決定では、営業、技術、財務など異なる部門の意見を反映することで、より包括的な判断が行えます。


プロコン(Pros Cons)は、ビジネスにおける複雑な意思決定を整理し、メリットとデメリットを視覚的に比較できる効果的な思考法です。

意思決定者はこの手法を使うことで、客観的かつ迅速に選択肢を評価でき、メリットとデメリットを考慮した合理的な判断が可能となります。

プロコンのやり方:目的設定から意思決定まで

プロコン(Pros Cons)は、明確な目的設定から最終的な意思決定までの流れをステップに分けて進めることで、論理的かつバランスの取れた判断が可能になります。ここでは、プロコンを活用して意思決定を行うための4つの主要なステップを詳しく解説します。

ステップ1:明確な目的を設定する

意思決定において最も重要なのは、何を達成したいのかという明確な目的を設定することです。この目的が曖昧であれば、後のプロセスで適切な判断を下すことが難しくなります。目的設定の際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • SMARTの原則を活用する:具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性(Relevant)、期限(Time-bound)を考慮して目的を設定する。
  • 目的に関連するKPI(重要業績評価指標)を設定:定量的な目標を設定することで、各選択肢の評価基準が明確になります。
  • ビジネス目標との整合性:設定した目的が、全体のビジネス戦略や目標にどのように寄与するかを確認する。


例えば、新しいマーケティングツールを導入する場合、目的が「業務効率の向上」なのか、「売上の増加」なのかによって判断基準が異なります。

そのため、最初に「このツールがビジネスにどのような利益をもたらすのか」という明確な目的を持つことが重要です。

ステップ2:比較軸の設定と重み付け

次に行うべきは、複数の選択肢を比較するための比較軸を設定し、それぞれの軸に適切な重み付けを行うことです。このステップでは、意思決定に関連するさまざまな要因を整理し、優先順位をつけることが求められます。

  • 比較軸の設定:価格、品質、機能性、導入コスト、顧客サポート、長期的な影響など、意思決定において重要な要素をリストアップします。
  • 重み付けの方法:各軸が意思決定にどれほどの影響を与えるかを評価し、数値で表します(例:1〜5で評価)。


例えば、製品選びの場合、「価格」「品質」「デザイン」「保証期間」といった比較軸を設定し、以下のように重み付けを行います。

価格: 5(非常に重要)
品質: 4(重要)
デザイン: 3(中程度の重要度)
保証期間: 2(あまり重要でない)


このプロセスをしっかりと行うことで、判断にブレが生じにくくなります。

ステップ3:メリット・デメリットの洗い出し

この段階では、先に設定した比較軸に基づいて、各選択肢がどのようなメリットとデメリットを持つかを詳しく検討します。メリット・デメリットを洗い出す際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • ベストプラクティスを調べる:同様の意思決定を行った他の企業や業界でのベストプラクティスを調べましょう。これにより、意思決定における成功事例や注意点が見えてきます。
  • ブレインストーミングを活用:チーム全体でブレインストーミングを行い、各選択肢のメリットとデメリットを出し合います。
  • 数値データを使用する:可能であれば、メリットとデメリットに関して具体的な数値データを用いましょう。たとえば、「新しいツールの導入で作業効率が30%向上する」といったデータがあると説得力が増します。
  • 視点の多様化:営業、技術、財務など異なる部門の視点から評価することで、包括的なメリットとデメリットを洗い出せます。


ステップ4:スコアリングと総合評価

最後に、各比較軸に沿ってメリットとデメリットをスコアリングし、総合評価を行います。これにより、感覚的ではなく、合理的な意思決定が可能になります。

  • スコアリングの方法:各選択肢に対して、設定した比較軸ごとに評価を行い、それぞれに数値スコアを付けます(例:1〜5で評価)。スコアが高いほど、その選択肢が比較軸において優れていることを意味します。
  • 総合評価:ステップ2で設定した重み付けを考慮し、各軸のスコアに重みを掛け合わせて計算します。この合計スコアを用いて、どの選択肢が最も優れているかを判断します。


例えば、製品Aと製品Bを以下のように評価した場合を考えます。

製品Aの評価

価格: 4(重み5)
品質: 2(重み4)
デザイン: 4(重み3)
保証期間: 2(重み2)
スコア合計:価格 20 + 品質 8 + デザイン 12 + 保証期間 4 = 44


製品Bの評価

価格: 3(重み5)
品質: 5(重み4)
デザイン: 2(重み3)
保証期間: 4(重み2)
スコア合計:価格 15 + 品質 20 + デザイン 6 + 保証期間 8 = 49


この場合、製品Bの総合スコアが高いため、Bを選ぶのが最適な選択と言えるでしょう。

ただし、重み付けやスコアリングは状況によっては難しいこともあるため、必ずしも数値化が最適とは限りません。

たとえば、数値では測りきれない要素が大きい場合や、選択肢が非常に複雑な場合には、スコアリングを行わずに直感的な判断や、関係者間の合意を重視する方法も有効です。

状況に応じて、スコアリングを使うべきか、数値化しない評価方法を選ぶべきかを柔軟に判断しましょう。

プロコン法を活用した意思決定は、目的の明確化から始まり、比較軸の設定、メリット・デメリットの洗い出し、そしてスコアリングと総合評価という一連の流れを経ることで、論理的かつバランスの取れた判断が可能となります。

このプロセスを丁寧に実施することで、最適な意思決定を行うことを目指しましょう。

比較表をパワーポイントで魅せるコンサルテクニック

プロコン(Pros Cons)の分析結果を効果的に伝えるためには、パワーポイントでの比較表作成が鍵となります。ここでは、コンサルタントが実践する、魅力的な比較表を作成するための具体的なテクニックを一般的な内容も含め紹介します。

1. シンプルで見やすいデザインを実現する方法

  • レイアウトの最適化:過度な装飾を避け、情報が一目で伝わるようにデザインしましょう。シンプルなデザインは視覚的な混乱を避け、視聴者の理解を助けます。
  • 統一感のあるフォントと色使い:プレゼン全体で一貫性のあるフォントと色使いをすることで、プロフェッショナルな印象を与え、視覚的に整ったスライドを作り出せます。
  • 余白の活用:適度な余白を設けることで視覚的な負担を減らし、情報が自然と目に入るようになるので、情報の焦点を絞りやすくする効果があります。


2. 視覚的に訴える情報伝達のテクニック

  • 色分けでメリット・デメリットを区別:メリットを青、デメリットを赤で表示することで、情報が直感的に理解されやすくなります。
  • アイコンや図形の使用:単なるテキストよりも、アイコンや図形を取り入れることで訴求力が向上します。例えば、メリットにはチェックマーク(〇)、デメリットにはバツマーク(✖)を使用し、視覚的な理解を助けます。
  • ハイライトで重要な部分を強調:強調したい項目にはハイライトを付けて、聴衆の注意を引くことで、特に重要なメッセージが伝わりやすくなります。


3. プレゼンテーション時のテクニック

  • ナレーションや補足説明の工夫: スライドには最低限の情報のみを記載し、詳細な情報は除外して視認性を高めます。質問があれば参照できるよう、補足情報はAppendix(付録)に入れておき、口頭で具体例を挙げながら視聴者に深い理解を促しましょう。
  • 視聴者の目線誘導:矢印やレーザーポインターを使って注目してほしいポイントを示し、視聴者が情報を的確に受け取れるようにしましょう。


パワーポイントで比較表を効果的に見せるためには、データを視覚的に整理し、観る人が「次に何をすべきか」を自然に理解できるように工夫することが不可欠です。これらのテクニックを使うことで、クライアントやチームの理解を深め、説得力を大いに高めることができるはずです。

以下の表は、弊社で作成した実際の成果物です。ご参考にしていただければ幸いです。



ビジネスシーンにおけるプロコンの活用例

ここでは、ITツールの導入やシステム開発の外注判断といった具体的なビジネスシーンでのプロコンの活用例について説明します。

CASE1:導入するITツールの選定

ITツールの導入は、企業の業務効率向上やコスト削減に直結するため、慎重な選定が求められます。以下では、プロコンを用いたツール選定の具体的なプロセスをステップごとに詳しく解説します。

今回は、プロジェクト管理ツールの選定を例に挙げ、導入のための比較・検討を行います。

ステップ1:明確な目的を設定する

ツール選定の第一歩は、導入の目的を明確にすることです。目的が不明確だと、どのツールが最適か判断しにくくなります。
目的:社内のプロジェクト管理を効率化し、進捗状況の可視化を図る。
具体的な目標

  • プロジェクトの納期遵守率を10%向上。
  • チームメンバー間のコミュニケーションを円滑にする。
  • コストを削減し、年間のツール運用費用を20%削減。

このようにKPI(重要業績評価指標)などの定量的な目標を設定することで、導入後の効果を評価しやすくなります。

ステップ2:比較軸の設定と重み付け

次に、複数のツールを比較するための評価基準(比較軸)を設定し、それぞれに重み付けを行います。今回は以下の軸で評価を行い、重み付けは各項目の重要性に基づいて付けます。

価格(重み付け:5):年間ライセンス費用がいくらか。
機能性(重み付け:4):タスク管理、ガントチャート、進捗レポート、コミュニケーション機能があるか。
操作性(重み付け:3):UIの使いやすさ、オンボーディングにかかる時間。
カスタマイズ性(重み付け:3):プロジェクトの進行に応じて柔軟に設定を変更できるか。
サポート体制(重み付け:2):導入後の技術サポートやFAQが充実しているか。


ステップ3:ツール候補のメリット・デメリット洗い出し

プロジェクト管理ツールの選定にあたり、まずは市場に出回っているツールを幅広く調査します。多くのツールがある中で、候補を絞るためには、いくつかの基準を設定します。

候補リスト作成の基準例

  • プロジェクトの規模に適しているか
  • チームの使用目的(タスク管理、ガントチャートの有無など)に合致しているか
  • コストやライセンス体系が適しているか


次に、調査で得られたツールをこれらの基準に従って比較し、価格、機能性、カスタマイズ性などの重要な軸をもとに絞り込みを行います。

この過程で、複数のツールを評価した結果、今回はツールA、ツールB、ツールCに注目しました。
各ツールのメリットとデメリットをリスト化し、それぞれの評価軸に基づいて分析を進めます。

ステップ4:スコアリングと総合評価

各比較軸に対してスコアリングを行い、総合評価を計算します。



各ツールの総合スコアを計算します。

ツールA:価格 15 + 機能性 12 + 操作性 12 + カスタマイズ性 6 + サポート体制 4 = 49
ツールB:価格 10 + 機能性 20 + 操作性 9 + カスタマイズ性 15 + サポート体制 10 = 64
ツールC:価格 25 + 機能性 8 + 操作性 15 + カスタマイズ性 3 + サポート体制 8 = 59


結論

総合的に判断すると、ツールBが合理的な選択肢です。機能性とカスタマイズ性が充実しており、プロジェクト管理のニーズに幅広く対応できます。コストはやや高めですが、24時間のサポート体制も含め、全体的にバランスが良いです。

CASE2:システム開発は内製か外注か?

システム開発において、内製(自社開発)するか外注(アウトソーシング)するかの選択は、企業のリソース配分や競争力に大きな影響を与えます。この意思決定をサポートするための、プロコンを使った判断方法を詳しく見ていきましょう。

ステップ1:明確な目的を設定する

目的:コスト効率と開発スピードを最適化しながら、企業独自の技術的な強みを活かす。
具体的な目標

  • 開発期間を6か月以内に短縮。
  • コストを最適化し、予算を30%削減。
  • 維持・運用の柔軟性を確保する(長期的な視点で)。
  • 自社の技術力を向上させ、長期的な競争力を高める。


ステップ2:比較軸の設定と重み付け


コスト(重み付け:5):初期開発費用とメンテナンス費用。
開発スピード(重み付け:4):納期までにどれだけの時間がかかるか。
品質と技術力(重み付け:4):自社の技術力が開発に見合っているか、または外部の専門性が必要か。
自社の技術力の成長(重み付け:3):内製による自社技術力の成長が見込めるか。
柔軟性(重み付け:3):開発後に機能追加や変更を迅速に対応できるか。
リスク管理(重み付け:2):外部パートナーへの依存や社内リソース不足のリスクをどう管理するか。


ステップ3:内製と外注のメリット・デメリット洗い出し

各ツールのメリットとデメリットをリスト化し、それぞれの評価軸に基づいて分析を進めます。

ステップ4:スコアリングと総合評価



各選択肢の総合スコアを計算します。

内製:コスト 10 + 開発スピード 12 + 品質 12 + 自社技術力の成長 15 + 柔軟性 15 + リスク管理 6 = 70
外注:コスト 20 + 開発スピード 20 + 品質 20 + 自社技術力の成長 3 + 柔軟性 6 + リスク管理 4 = 73


結論

外注が合理的な選択肢です。特に開発スピードと品質面で大きなメリットがあり、短期間で高品質なシステムを構築したい場合には、外注が最も効率的です。また、初期費用を抑えられる点も大きな魅力です。

しかし、実際のビジネスシーンでは、内製・外注と二項対立で考えていると解決が難しい複雑な課題も多々あります。

ProConnectなら、内製と外注のメリットを活かしたハイブリッドなソリューションで、柔軟かつ効率的な対応を実現します。たとえば、短期的なリソース不足には即戦力フリーランスの派遣、プロジェクトの規模に応じたコンサルチームの編成など、ニーズに応じたサポートが可能です。下記リンクからお気軽にご相談ください。
https://pro-connect.jp/corp/

コンサルタントが教えるプロコンの落とし穴と対策

プロコン(Pros Cons)は、ビジネスにおける意思決定をサポートする強力なツールです。しかし、正しく使わなければ、効果が十分に引き出せず、非合理的な結論に至る可能性があります。

ここでは、前章で解説した「導入するITツールの選定」を具体例に挙げながら、プロコンに潜む落とし穴とそれを回避するための対策を解説します。

落とし穴① 事実と解釈の混同

  • 落とし穴:意思決定の際、事実と解釈を混同することがあります。客観的な事実と、それに基づく解釈を同等に扱うと、判断が偏り、非合理的な結論に至るリスクが高まります。


  • 具体例:例えば、ツールAについて「作業時間が平均30%削減された」という事例をもとに、「作業時間を30%削減できる」と解釈するケースです。ただし、他社と自社では業務フローやツールの使い方が異なる可能性があるため、同じ結果が得られる保証はありません。解釈を事実と同等に扱うことで、期待通りの結果が出ない可能性が生じます。


  • 対策:意思決定時には、事実(作業時間を平均30%削減)と解釈(自社でも同様に削減される)を明確に分け、事実のみをリスト化し、解釈は別途記述することで客観性を保ちます。さらに、第三者の視点や追加データを用いて、解釈の妥当性を検証することも重要です。


落とし穴② 要素の数だけで比較してしまう

  • 落とし穴:メリットとデメリットの「数」だけに注目して結論を出してしまうことがあります。しかし、重要なのは各要素の質とビジネスに与える影響の大きさです。
  • 具体例:例えば、ツールAには「10個のメリット」があり、ツールBには「5個のメリット」しかないとします。しかし、ツールAのメリットが操作の簡便さや見た目など小さな要素ばかりで、ツールBのメリットがデータ分析機能やカスタマイズ性といった重要な機能であれば、ツールBが有力な選択肢になる可能性があります。
  • 対策:各要素に重み付けを行い、評価を定量的に行います。例えば、コスト削減や作業効率の向上など、ビジネスに大きな影響を与える要素に高いスコアを付け、些細な機能には低いスコアを付けることで、感覚的な判断を避け、合理的な結論を導くことができます。


落とし穴③ リスクの軽視

  • 落とし穴:リスクを適切に評価せず、単なるデメリットと同等に扱ってしまうことがあります。リスクは、発生した場合にビジネスに重大な影響を与える可能性がある要素を指し、「コストが高い」などの単純なデメリットとは異なり、起こりうる問題や課題として考慮されるべきです。
  • 具体例:例えば、ツールBを導入する際、「データのセキュリティ対策が十分ではない」と記載するだけでは、単なるデメリットとしてしか認識されず、「不正アクセスや情報漏洩が発生する可能性がある」といったリスクの深刻さが正しく評価されないことがあります。このように、リスクの具体的な影響を見落としたまま導入した場合、サイバー攻撃により顧客データが流出し、企業の信用低下や多額の損害賠償といった重大な被害につながる可能性があります。
  • 対策:「データのセキュリティ対策が十分ではなく、不正アクセスや情報漏洩が発生する可能性がある」という具体的なリスクまで記載することが重要です。また、「発生する可能性」と「発生した場合の影響度」を評価し、それに基づいてリスク管理を行います。これらにより、リスクの深刻さを正確に把握し、適切な対策を立てることができます。


落とし穴④ 短期的視点に陥る

  • 落とし穴:短期的な視点に陥ると、後々大きな問題が発生する可能性があります。目先の利便性やコスト削減に注目しすぎて、長期的な運用や拡張性を軽視してしまうことがあります。
  • 具体例:例えば、ツールCが「初期費用が安く、導入も簡単」という理由で選ばれたものの、後になってから機能拡張が難しく、結果として長期的な維持コストが高くなるというケースがあります。
  • 対策:短期的な視点にとらわれず、長期的な影響を考慮することが不可欠です。例えば、導入時のコスト削減だけでなく、将来的なメンテナンスやカスタマイズにかかるコストも含めて評価することが重要です。


プロコンを正しく活用すれば、意思決定において確実な判断ができます。客観的な視点を持ち、リスクや要素の重要度を適切に評価することで、合理的な選択肢を見極められるでしょう。

さいごに


プロコン(Pros Cons)は、選択肢を客観的に整理し、意思決定をサポートする強力なツールです。ProConnectでは、ITツールの選定や導入におけるベンダー依存の解消や予算調整といった課題にも対応したソリューションを提供しています。ぜひ、下記リンクからご相談ください。
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